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Yomiuri Shinbun

 その日、東北大病院には報道陣が殺到した。1999年2月28日。国内初の脳死臓器移植の一つが行われることになったからだ。

 40代の提供者から摘出された臓器のうち、腎臓が運ばれることが決まった。脳死しか方法のない心臓に比べると、腎臓は生体からも移植できる。しかし、97年10月の臓器移植法施行後、初の手術であることに変わりはなく、社会の注目は高かった。

 「いつも通りにやればいい」。執刀医で、第二外科教授だった里見進(67)は自分に言い聞かせた。チームは90例以上の腎臓移植を実施していた。

 里見が移植医療を志したのは20代後半。腎臓病が悪化した同世代の患者に「明日から人工透析が必要です」と伝えると、一様に表情を曇らせた。人生が暗転する瞬間を感じた。「移植で元の生活に戻れるようにしなければ」と思った。Continue reading

 



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